そこは温泉の源泉地。福岡県内でも特に「水がいい」と言われる糸島・二丈地域。水源のある二丈岳の麓にある「はたらく農園」では、名水『糸島深江源泉水』を用いたミディトマトを栽培する。最大の特徴は、糖度8〜12度というフルーツにも比肩する驚異の糖度。

比較対象はフルーツ。
温泉水で育ったトマトは、皮が薄く、口溶けが良い。一粒にぎっしり詰まっているため、食感も楽しい。魅力はそれだけではない。女性のお肌にも嬉しいリコピンが豊富で、栄養価が高く、お客様からも大好評である。
相崎さん:「数値で見ても、甘味・旨味の成分が一般的なトマトに比べて3〜5倍あるので、お客様にもよくフルーツより甘くて美味しいと言っていただきます。そうなんです、うちのトマトのライバルはフルーツなんです(笑)」

トマト一筋40年のベテランも唸る先端農法
はたらく農園のトマトは、先端農法「アイメック農法」で栽培している。生産担当の池本さんは、あらゆる栽培方法があるトマトの栽培において40年以上の経験がある。その中でも、「この場所とこの水との相性もありますが、この農法でつくるトマトが日本一でしょう」と自負する。
※「アイメック農法」とは?
アイメック農法では、極少量の農薬で、病害虫の発生を極力抑えることが可能。また、トマトに必要以上の養分や水分を与えず、あえてストレスをかけ厳しい環境に置くことで、高糖度・高栄養価のトマトが育つ。さらには、水と肥料を効率的に活用できるため、人間だけでなく、環境にも優しい農法となっている。

相崎さん:「別の場所だったら農法も変わるかもしれません。それほどアイメック農法と二丈の水は相性抜群で唯一無二ですね。」
それでも、現状に満足はしていない。毎年毎年、反省の繰り返しだと言う。
池本さん:「昨年より今年、5年間をスパンとして毎年毎年振り返ります。例えば、今年は水が多かったかなぁとか。振り返ってみると、トマトの状態を見極められるようになるまでに10年、水をかけるのに8年。赤子を見るように、表情を見切りたいという一心でやってきました。それができてようやく一人前です。」
日々の創意工夫を怠らず、「美味しい」と言っていただけるお客様の顔を思って、日々トマトに向き合っていると語る。

誰もが働きやすい環境づくりを。
はたらく農園では、「農福連携」をテーマに、知的障がいや精神障がいを持つ方々が、農業を通じて自立していくための支援に取り組んでいる。2021年11月には、「就労継続支援B型」施設として福岡県から指定を受けるまでに取り組みが拡大。現在受け入れているのは10名ほど。1日3〜4時間程度、身体に無理のない範囲で働いているそうだ。
相崎さん:「太陽を浴びて汗をかくこと、自然と触れ合うことが心身の健康のために特に重要です。『明日もまた来たい』と思ってもらえるように働いてもらっています。」
実際に診断結果が良くなっている方々も多いそう。自宅から農園までの送迎と昼食の無償提供があり、給与は業界最高水準。今期で受け入れ開始から3期目ながら、次期にはもう自立できる人も出てくるのではないか、と話す。

「関わる人達、周囲(傍)の方々を楽しくらくに、豊か(楽)にする。」
はたらく農園は、農園名の由来でもある「働く人も、生産する作物も、お客様も三方よしの農園」を目指す。
スタッフ:「作業は大変だが、1日の作業が終わって、落ち着いたときにやり切ったな〜という達成感がある。実はもともとトマトが嫌いでしたが、こちらに来てからトマトが好きになりました(笑)。ここはほんとに自然がいいし、働いていて楽しい。お昼ご飯が出て、みんなで団欒出来るのも良い。」
今後は、働く人が自立していくたびに、設備や体制を拡大し、より多くの方の自立支援をしていきたいとのこと。また、高齢者の方々も働ける場所を提供していき、地域に貢献したい、とも語る。
最新の技術を取り入れながら、お客様、スタッフ、地域社会を想う「はたらく農園」の取り組みは、今後の農業の理想の姿に思えた。
