米といちごの相乗効果。お客様の期待を超え続ける。

「itoBEEファーム」は、日本の滝百選にも選ばれている「白糸の滝」を源流とする長野川下流に農園を構える。栽培期間中、化学肥料や農薬を使用しない農法※で、いちごと米を栽培しており、春には毎年、いちご狩り体験を楽しむお客様で園内は賑わう。

※いちごは減農薬



積土成山で身につけた勘どころを頼りに。

農業に携わり20年以上。代表の末松さんは、いちごの葉の色や艶を観察し、「いま何の成分が足りていないか」を察知する。これができるようになるのに10年かかったと振り返る。

末松さん:「やりっぱなしにせず、できた理由、できなかった理由を振り返って整理することが大切だと思います。細かい軌道修正を毎年少しずつ積み重ねていくことで、自ずと収量も安定してきました。」

itoBEEファームでは、米の生産過程で生まれる籾殻や米ぬかなどを、約1ヶ月間発酵させ、肥料として活用する。通常は捨ててしまうものも活かす。米といちごを生産するitoBEEファームだからこそ創出できる相乗効果である。

末松さん:「『うちだからこそできること』を意識しています。ただ環境にいいということだけでなく、こちらの方が作物自体の生育も良く、健康に育つようになりました。理にかなっているということだと思います。」



お客様の喜ぶ声が一番の励み。

1月初旬頃から「いちご狩り体験」を開催する、itoBEEファーム。ハウスいっぱいに完熟したいちごが視界に広がるこの景色は、きっと子供たちにとって忘れられない体験になるはず。

末松さん:「野外学習などで小学生ぐらいの子供たちに集団で来ていただくこともありますが、子どもにとっては目の高さにいちごの実があるので、本当に無邪気に喜んでいただけます。」

いちご狩り開催期間中のお客様の喜ぶ光景を見ることが、この上ないやりがいになっていると末松さんは話す。

末松さん:「直接お客様から『美味しい』と言っていただく時はもちろんですが、私がいないところで『めっちゃうまい!』と言っていただけたりすると特に嬉しいですね。」



「地域の方々の癒し」そして「子どもの学び」の場として。

「糸島野菜」としてすでにブランド力のある中、「その分見劣りしないものをつくりたい」と話す末松さん。観光農園としても、現状に満足せず、お客様の期待をさらに超えていく努力も怠らない。

末松さん:「今年は品種を『あまおう』『かおり野』『紅ほっぺ』の3種類に増やし、食べ比べも楽しめるようにしています。また今後、駐車場や道路の整備を行い、もっと皆さんが訪れやすく、来て喜んで帰っていただけるように、ハウス拡充も計画しています。」

昨年から雑草対策で農園の畦道に「芝桜」を植えたという末松さん。「結局、雑草は生えてくる上に、周りからも変わっていると言われるのですが(笑)」と話しつつも、ハウスの周りの景観が鮮やかになって、お客さんに喜んでいただけているので続けているそう。



楽しむことが一番大事。

農業は「大変」「辛い」というイメージを持たれがちであるが、「大変さよりも楽しさの方が勝っている」という末松さん。

末松さん:「働いている人が楽しくやっていないと、"いいもの"はできないと思います。心理的な状態が作物に影響しますので、お客様に"いいもの"を届けるために、小さなことでも楽しさを見つけながら日々栽培しています。」

今後は、新規就農を目指す人の独立の支援もしていきたいとのこと。働く人が誇りを持って働ける農園を目指して、末松さんの"楽しい"旅路は続く。

文:田崎 琴乃

写真:emma. Inc.(一部農園様ご提供)