糸島・志摩桜井の山間に農園を構える「OKAFARM」。春にはニンニク・ヨモギ、夏にはオクラ、冬はウコン・ビーツ・ヤーコンと、定番から変わり種まで季節に合わせて旬の野菜を栽培している。無農薬・有機栽培ということだけでなく、「とにかく美味しい。岡さんのつくる"土壌"でしか出せない味。」と根強いファンもいるほど。

その場で食べられることを大事に。野菜も人も生き生きと。
OKAFARMでは、栽培中、農薬や化学肥料を一切使用しておらず、「収穫したその場で生で食べられる」、ということを大事にしている。中でも力を入れているのはウコン。
岡さん:「ウコンは、お花も本当に可愛いんですよ。葉も花も余すことなく活用したいので、綺麗な花を見た僕たち農家も、"いのち"に感謝して、元気に生き生きとしていたいですよね。」
ウコンは、世界で最も研究論文が多く、効能についても盛んに研究されている作物。岡さんも、現代人に必要な栄養素が沢山あるゆえ、「知られていない効能を含めて、もっともっと広く伝えていきたい」と話す。

岡さんが力を入れているもう一つの作物は、「スターオブデイビッド」というイスラエル伝統品種のオクラだ。断面が綺麗な星形になっており、一般的なオクラと比べて肉厚だが柔らかく、香りも良い。岡さんのオクラは、さらに滋味・旨味がぎゅっと詰まって深みがある。

農業は、人が生きていくための地球との関わり方を決めるもの
OKAFARMでは、BLOF理論に基づいた栽培を行っている。その背景には、「農業は単純に野菜を作ることだけにあらず、人が生きていくための地球との関わり方を決めるもの」という考え方がある。
※BLOF理論:科学的に土壌分析と施肥設計を行うことで、「高品質・高栄養・多収穫」を可能にする栽培理論
いま、自分達が生きるためにする小さな行動が、"農法"という一つのルールにより制限されることによって、何十年・何百年後の未来で地球規模の影響を生むことになる。
岡さん:「大事なのは方法ではなく、野菜や自然に対する深い理解だと思います。その理解から生まれる個性こそが、現代で必要とされる完成された農業なのではないでしょうか。」
OKAFARMではこのBLOF理論を取り入れ、ここ2,3年の収穫量は右肩上がり。有機栽培では、慣行栽培と比較して収穫量が減ってしまうのが「業界の"当たり前"」。一方、岡さんの手にかかれば、砂地からでも、一般的な有機栽培の平均収量の1.5倍以上の収量を実現できるとのこと。

全国各地で泊まり込みで農業を学んだ日々。
岡さんは、北海道から糸島に移住してきた。幼い頃から冷凍食品中心の食事で、身体を壊しがちだったそうだ。高校卒業後、地元北海道のもやし工場に就職。生産・管理・流通までの流れを8年間学んだ後、「安心安全な食の大事さ」を身をもって学んだ幼少期の体験から、有機農家の道を志した。単身で日本各地の農家を回り、泊まり込みで有機農法やBLOF理論を学んだそうだ。
岡さん:「一日中害虫の処理をするだけの作業をして、夜中うなされる日々もありました(笑)普通なら嫌になって辞めると思いますが、これだけ色んな経験をして、技術も知ってる自分がやらないと誰がやるんだ、と逆に奮い立ちました。」

「農業を助けたい」という一心で。
岡さんは、将来的には就農を目指す人に技術や知識を伝えていく指導者になりたいと話す。一般的には、有機野菜は収量が少なくなるため、需要と供給の関係で価格が高まりやすい。一方で岡さんは収量を高く維持できるため、"いい価格"で"いいもの"をお客様に提供ができる。
岡さん:「お客さんも"いい価格"でないと関係性が続かないと思うんです。お客さんも、自然も、農家も"心地よく続く"関係性が理想です。」
無理な生産、無理な販売をしない。自然と人が循環する農業を目指す、岡さんの挑戦は続く。
